アジアの不動産投資で外国人が知っておきたい規制とリスク
タイやフィリピン、ベトナムなどでは、外国人が購入できる不動産に制限があります。主な規制の考え方と、海外不動産に共通するリスクを整理します。
東南アジアの都市では、高層コンドミニアムの建設が続き、海外からの不動産投資も注目されてきました。日本でも、アジアの不動産を紹介するセミナーや広告を目にすることがあります。しかし、海外の不動産には日本とは異なるルールやリスクがあります。ここでは、アジアの主な国で外国人が不動産を購入する際の規制の考え方と、海外不動産に共通する注意点を整理します。
外国人の所有に関する主な規制
アジアの多くの国では、外国人による土地の所有が制限されています。代表的な例を見てみましょう。なお、制度は改正されることがあるため、実際に検討する際は必ず最新の情報を現地の専門家に確認してください。
タイ
タイでは、外国人は原則として土地を所有できません。一方、コンドミニアム(区分所有の集合住宅)の住戸は購入でき、1棟の総床面積のうち外国人が所有できるのは49%までとされています。
フィリピン
フィリピンでも、外国人による土地の所有は憲法で制限されています。コンドミニアムの住戸は購入できますが、1棟のうち外国人が所有できるのは40%までとされています。
ベトナム
ベトナムでは、土地は国民全体の所有とされ、個人は土地使用権を持つ仕組みです。外国人も一定の条件のもとで住宅を所有できますが、所有期間や1棟あたりの外国人の保有割合に上限があります。
マレーシア
マレーシアでは、外国人が購入できる物件に最低購入価格が設けられており、その水準は州ごとに異なります。
海外不動産に共通するリスク
- 為替リスク:家賃収入や売却代金は現地通貨で受け取るため、円高になると円での手取りが減ります。
- 管理のリスク:遠く離れた物件の入居者募集や修繕を任せる管理会社の質が、収益を大きく左右します。
- 売却のリスク:外国人が購入できる物件が限られる分、売却するときに買い手が見つかりにくいことがあります。
- 完成前物件のリスク:建設前や建設中の物件を購入する場合、工事の遅れや計画の変更が起きることがあります。
- 送金と税金:現地での税金や、日本での確定申告、海外送金の手続きなど、実務の負担も小さくありません。
勧誘への注意
「高い利回りが期待できる」「今だけの特別な物件」などとうたう海外不動産の勧誘には注意が必要です。利回りの計算に管理費や空室、為替の影響が含まれているかを確認し、即決を迫られても応じないようにしましょう。
不動産に間接的に投資する方法としては、上場しているREIT(不動産投資信託)もあります。少額から投資でき、売買もしやすいのが特徴です。投資商品ごとの違いは投資戦略と種類、アジアの株式市場については東南アジア株に投資する方法と注意点の記事で紹介しています。
※この記事は投資に関する一般的な情報を提供するもので、特定の金融商品の購入や売却を勧めるものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。最終的な判断はご自身で行い、必要に応じて金融機関や専門家に相談してください。


